YUKO'S LOG

審神者と光の戦士の兼業をがんばる女子の雑記帳

映画『刀剣乱舞』感想と『とうらぶ』というコンテンツと生きる楽しさについて【前編】

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メディアが好んで使う「●●女子」という言葉には色々思うところはあるのですが、私は、まごうことなき「刀剣女子」だと思う。

始まりは、ほんの偶然

ネットで『刀剣乱舞-online-』の事前登録を偶然目にし「ネトゲはやったことないけど、今大流行の『艦隊これくしょん』みたいな感じだったらやってみたいかも」と思い事前登録、2015年1月リリース開始の日から早速プレイを開始、1か月ほどは寝食を忘れる勢いでプレイし、2月末には当時の全刀剣をコンプした記憶があります。以降も休むことなく毎日審神者業に従事し、審神者レベルは現在287。すべての刀剣がそろい、能力を限界まで引き上げた刀ばかり、自分で言うのも恥ずかしいですが、なかなかの陣営を誇る「本丸」を営んでいます。

『刀剣乱舞』は、ゲームだけに収まりません。『活撃刀剣乱舞』『刀剣乱舞花丸』の2シリーズがTVアニメ化、『舞台刀剣乱舞』『ミュージカル刀剣乱舞』は昨今の2.5次元ブームに火をつけました。他にも様々なイベントやコラボカフェ、書籍等のメディアミックスが盛んで、筆者のお財布のひもは緩みっぱなしです。

ゲームのヒットによって最も良かったと思えることが、『刀剣乱舞』によって実際の刀剣に興味を持ったファン(ほとんどが女性)が刀剣を目当てに美術館や展覧会に足を運ぶようになったことではないかと思います。ゲームの運営側も、そういうファンの行動は予測していたものと思われ、早い段階から刀剣展示のイベントと『刀剣乱舞』のコラボが行われています。全国各地で行われるこういった実際の刀の展示に遠方からも多くの人が足を運んでいる(もちろん私も!)こともあり、美術館の集客・売上へ貢献していることはもちろんのこと、地域の活性化にわずかながらもお手伝いできているのではないか…と思っています。

そんな、まさしく「刀剣女子」的人生を送る私にとっても、『刀剣乱舞』映画化はまさかの発表だったわけです。

発表と同時に出た鈴木拡樹さんによる三日月宗近のビジュアル。「舞台キャストで映画化!?」即座にそんな憶測が頭をよぎりました。案の定、ほぼ全員が舞台どおりのキャスティング。私は嬉しく思いました。『虚伝』『ジョ伝』『義伝』『悲伝』と、『舞台刀剣乱舞』4部作(『悲伝』でいったん区切りらしいので)を演じ切ってくれた彼らになら任せても安心なんじゃないだろうか…。そして、何より、脚本が小林靖子さんというではありませんか。小林靖子さんといえば、東映特撮を中心に多くの作品を手掛けられていることで有名で、アニメ方面でも、『進撃の巨人』『ジョジョの奇妙な冒険』などのシリーズ構成を務められています。正直、安心感しかなかったし、「人」と「業」の姿を見事にあぶりだす小林節がどんな『刀剣乱舞』を描き出してくれるのかワクワクしました。

で、なるべく事前の情報はシャットアウトして初日に劇場に足を運んだわけです。結果としては、思っていた以上のワクワクドキドキと驚きが私を待ち受けていました。

ということでここからは『映画刀剣乱舞』のネタバレを含みますのでご注意ください。

物が語るゆえ、物語

舞台は本能寺の変。筆者は戦国BASARAの民でもあるので、もう本能寺はお腹いっぱいです。と、言いたくなるような本能寺の変。天正十年六月二日、織田信長は明智光秀の謀反に会い、宿泊先の京都・本能寺で横死します。遺体は骨まで灰になったといわれ、その死体は見つかっていません。そしてその信長が天下人の城として築いた安土城は山崎の戦のあとに天主や本丸などが焼失します。焼失の原因についてはいくつかの説があるものの真偽は不明。

この二つの歴史ミステリーに対して、「刀」である「刀剣男士」だから知りえた「隠された真実」でもって「これが歴史の真実です」として提示するという発想がすごかった!『刀剣乱舞』でしか描けないでしょう。こんなストーリー!

そして今回、その「真実」という「業」を背負うのが三日月宗近なんだな…というのがストーリーの中で徐々にわかってきます。だが、何故三日月「だけ」がその真実を知っているのか?その理由が分かった瞬間のカタルシスは最高です。三日月が秀吉が肌身離さず持っていた刀であったからこそ、人間は誰も知らない「秀吉が実は信長を殺した謀反人である」それを知っているのです。

そして、特筆すべきは秀吉を演じる八嶋智人さん。シームレスに二面性を見せる演技が鳥肌ものです。日本号とへし切長谷部に対して種明かしをするシーンは背筋がぞっとする感じがしました。

後半に続く。

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